2010年9月23日

「ヒュウガ・ウイルス」

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「ヒュウガ・ウイルス」 村上龍

評価:4.8



この世界と時空が5分だけずれた世界
その世界では日本は太平洋戦争に本土決戦の末に破れ、アメリカ・イギリス・ソ連によって植民地化されていた


そこでは数々の都市がスラム化し、人間とは思えないような生活を営む集落がいくつも出現している




そんななかビルマ・ニューギニアから帰還した大日本帝国軍の将校たちが新たな日本国を地下に作った


それは UG__アンダーグラウンド軍と呼ばれ独自の国家を形成してきた




そんな中旧九州のある村で謎のウイルスが発見される
世界有数の医療コンプレックス「ビッグ・バン」で確認され世界中の資産家が利用する特A地区で皮肉にも発見された致死率100%のそのウイルス


名前はヒュウガ・ウイルス



今回も村上龍は期待を裏切らなかった

その設定の緻密さ
すべて架空の世界だというのにあたかも現実に存在しているような世界観を作るのはさすがとしかいえない

そこがありきたりな最近パニックの小説とは一線を画する点だと思う

今回の作品は比較的短くてページ数が少なくなるにつれこんな展開で収集がつくのかなとも心配したがラストもとてもいい味を出していた


ちなみにぼくは全く気づかなかったんですがこれは5分後の世界という作品の続編の位置づけらしいです

ぼくは先にこちらを読んでしまったので5分後の世界もぜひ読んでみたいと思いました

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