2010年10月21日

「アキハバラ@DEEP」

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「アキハバラ@DEEP」 石田衣良

評価:4.9

アキハバラ@DEEP (文春文庫)アキハバラ@DEEP (文春文庫)
石田 衣良
文藝春秋 2006-09
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これはわたしの父たちと母たちの物語である。




この言葉から始まるこの物語はただのアキハバラのオタクを描いたものではない



アキハバラでオタクとして社会的に見ればはじき者として生活している3人


呼び名はページ、ボックス、タイコ




そんな中、メイド喫茶で働いていたアキラ、ネットを介して知り合ったイズム、ダルマと共に会社をやることになる


会社の名前は「アキハバラ@DEEP」


それぞれ重大な欠陥を持ってる故一人では生きられないが、その代わりとして人にはない才能を持つこの6人を出発点にして物語は始まる
ページは膨大な知識とアイディアを
ボックスは抜群のグラフィックセンス、タイコはサウンドを
アキラはルックス、ダルマは法律の知識を
そして世界的に有名なハッカーであるイズム




この6人が協力し、あるアイディアから生まれたネットの歴史を変えるものを生み出す




検索エンジンCROOK



読み終わった後ならば冒頭の言葉の意味が分かるだろう
石田衣良の作品の中でもっともおもしろかったと感じました

ぼくは全然知らなかったがドラマや映画にもなっていたらしいです

読んでいてまるでGoogleの誕生に立ち会ってるかのような興奮を覚えた

特に、今まさに歴史が変わるような出来事が4畳半のぼろアパートで生まれようとしている前半部分はこんなにおもしろい小説はないと思ったほどわくわくして読ませてもらった


小説のレビューというのはネタバレになってしまうのであまり詳しく書けないというのが残念で、それ故あまり伝えることが難しいのだが、それでもこの本はぜひ読んでもらいたいと強く思った一冊


実はこれは院試の結果が出たその日に読んでいた本なのだが、忙しかったこともあり放置していた

そのためかなり拙い紹介になっているが、院試が終わりなんのために大学院に進んだのか、もっといえばこれからなんのために生きていくのかと考えたときのヒントになった


多くの困難が立ち現れ、絶望のどん底にまで突き落とされながら最初の信念を貫き協力して乗り越える

文字にしてみたらなんかうそくさくて、受け流しそうなことを、物語として感動を与えてくれるところに石田衣良のすごさがあると感じた

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