1月公開される映画「ソーシャルネットワーク」の原作
Facebookの誕生そして成長の軌跡をつづる初めての本
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目次
第1章 「ファイナルクラブ」で出会った男
第2章 ハーバードヤード
第3章 「ハーバードコネクション」
第4章 フェニックスの通過儀礼
第5章 ハッキング
第6章 寮への進入
第7章 予想外の反響
第8章 エリートたちの思惑
第9章 勧誘
第10章 電子版ファックトラック
第11章 双方向のソーシャルネットワーク
第12章 マークの言い訳
第13章 「ザ・フェイスブック」運用開始
第14章 寝耳に水
第15章 警告状
第16章 学長への直訴
第17章 「ナップスター」創業者の登場
第18章 大金持ちの予感
第19章 マークの野望
第20章 タイラーたちの逆襲
第21章 創業者の資質
第22章 ショーン主催のパーティ
第23章 踏みつぶされるライバルたち
第24章 阻害されるエドゥアルド
第25章 「ペイパル」創業者への売り込み
第26章 フェイスブック株の行方
第27章 エドゥアルドの油断
第28章 株の売却
第29章 弁護士からの通達
第30章 ビリオンダラーベイビーの誕生
第31章 訴訟
第32章 ショーンのスキャンダル
第33章 冷徹な決断
第34章 パーティーは終わった
その後
今年Facebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグがTIME誌のパーソンオブザイヤーに載ったのは記憶に新しいが、それに代表されるように今多くの注目を集めているSNS"Facebook"の軌跡を描いた本だ
本書はハーバード大学のあるパーティーの話から始まる
そこで偶然出会ったマーク・ザッカーバーグとエドゥアルド・サヴェリンが現在世界でもっともユーザー数の多いSNSを設立することになる
もともとマーク・ザッカーバーグはハーバード大学の寮でFacebookを始めたことは有名だが、それを作る片鱗はもともとあった
彼はハイスクール時代にシナプスという聞いている音楽からおすすめを選び出すようなプラグインを作りマイクロソフトから多額の買収額を提示されたり(彼はそれを蹴っている)、コースマッチといった誰がどの授業をとっているかといったプログラムも書いていたそうだ
そんな中ある学生からConnect Uというサイトを作るように頼まれた
それは正にFacebookの原型になるものかと思われるが、ザッカーバーグはその依頼を受けたにも関わらず、その傍らにFacebookを完成させた
彼がConnect Uのアイディアを盗んだのかどうかは定かではないし、それは弁護士の仕事だがそうしたグレーなゾーンがあることはこれを読むとよくわかる
とはいえ、そうした背景からFacebookを作るに至るのだが、理由はどうあれFacebookを作る過程の物語は本当におもしろい
彼はFacebookを一週間で作ったらしいが、その時の食べる時間も惜しいほど作業するという気持ちはよくわかる
ぼくもCrookを作っていた時はそんな気分だった
なんでもそうだが何か一つのことに没頭する時というのはその結果がどうであれとても幸せな時間だ
そうしたエキサイティングな時をこの本を読んでいて読者は共感できると思う
そこだけでも読む価値はあると思う
後半はそのFacebookがどのようにして今日のような世界最大のSNSになったかという記述だ
そこで、ナップスターの創業者であるショーンやペイパルの創業者ピーターがでてくるのだが、段々とお金という側面と初期のメンバーであるエドゥアルドとの関係の悪化という側面が生じてくる
後半部分は少し飛躍しているのだが、エドゥアルドが共同設立者になるのか、という問題は近年まで法廷で争われていたらしい
結果は共同設立者ということになった
もちろんマーク・ザッカーバーグが一人でFacebookを作り、一人で改良していったことは確かだが、ぼくとしてはエドゥアルドの功績はとてつもなく大きいと感じる
どれほどよいサイトでも広まらなければ意味はない
そこにマーク・ザッカーバーグにエドゥアルドという強い味方がいたことはラッキーだったのだろう
ネットの拡大において「最初の1歩は残りの99歩より大きい」という言葉は真だ
そうしたいざこざが後半部分に記述されているわけだが、後半はややおもしろみにかけることは否めない
とはいえ、副題にもあるようにフォーブスで最年少長者に載るほどになったザッカーバーグは現在昔のビル・ゲイツを彷彿させるような勢いでFacebookを拡大している
そんなマークの初の邦書としては読みごたえがある
先にも書いたがFacebook誕生前夜だけでも立ち読みしてみてほしい
ちなみに本書はマーク・ザッカーバーグのインタビューに断られたらしい
それにも関わらずここまで臨場感を持って書いたことは特筆に値するが、いつか本人の言葉を聞いてみたいと感じた
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