2010年8月22日

「ミクロ経済学 戦略的アプローチ」

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「ミクロ経済学 戦略的アプローチ」 梶井厚志 松井彰彦

評価:4.5





ふざけた表紙からは想像できないほどとてもいい本
ミクロ経済学の「教科書」です

目次
1章 あるパン屋の話
2章 戦略と均衡
3章 最良かルールか ー展開形表現
4章 交渉ゲーム
5章 情報とゲーム
6章 オークション
7章 公共材
8章 市場取引
9章 消費者理論
10章  寡占と経済効果
11章  金融とリスク管理
12章  金融市場と一般均衡
13章  製品差別化
14章  契約と誘因
15章  新たな幕開け


目次から見てわかるように標準的なミクロ経済学の教科書からみてかなり異色です

一般的な教科書に出てくるような選好のホモセティック、平均費用、ロワの恒等式やマッキンゼーの補題といった用語は出てきません

副題にもあるようにゲーム理論からのアプローチで書かれた「新しいミクロ経済学の教科書」といえるでしょう


しかしアプローチはともかく、内容はものすごくおもしろい
パン屋の価格競争から話は始まるのですが、ストーリー仕立ての説明は今までの無味乾燥な教科書に比べはるかに経済学というものが「わかる」

僕はこの本を読んで「そもそもなんで経済学に興味を持ったんだっけ?」という初心に戻った気がします


内容としても標準的なミクロ経済学の教科書にもゲーム理論の教科書にも載っていない新鮮な話題ばかりで「勉強」という意味でもとてもためになった

たとえばオークションの理論や情報の価値、製品差別化に関してなど一般的な数式や記述ではないですが、より経済学に近い文脈でゲーム理論を学べると思います


そして文章自体とてもおもしろく、梶井さんや松井さんの他の本も機会があれば読みたいな

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