2010年9月26日

「ティッピング・ポイント」

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「ティッピング・ポイント」 マルコム・グラッドウェル

評価:4.2


(↑ぼくが読んだのはこっちですが,現在単行本は出ていず)


(↑こっちを買えるらしいです.おそらく内容は同じ)



いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか____




全米でもっとも有名な著書の処女作だ


口コミで広がる爆発的な変化はどうして起こるのか、どういう要因で「大きな変化」に達するのかを検証した本

ちなみに本書では口コミの伝染に「感染」という言葉を使っている

目次
はじめに ティッピング・ポイントとは何か?
1章 爆発的感染、その3原則(ティッピングポイントへ至る指針)
2章 「80対20の法則」から「少数者の法則」へ(感染をスタートさせる特別な人々)
3章 粘りの要素(情報を記憶に残すための、単純かつ決定的な工夫)
4章 背景の力(人の性格に感染する背景)
5章 「150の法則」という背景(人の行動に感染する効果的な集団の規模)
6章 商品はどのようにして感染するか?(エアウォークの販売戦略から学ぶこと)
7章 自殺と喫煙(ティーンエイジャーの感染的行動の謎を探る)
8章 ティッピング・ポイントを押せば世界は傾く(焦点を絞ること、実験すること、そして信念を持つこと)



「ティッピング・ポイント」とは本来「臨海点」という意味らしい



世の中の多くのものは口コミの力を使ってもそこまで広まらずに終わる
では爆発的感染力をもつものともたないものの違いは何か

それがティッピング・ポイントに到達したかどうかという点が筆者の主張だ


たとえばAKB48。2007年から活動しているこのグループをもはや知らない人はいないだろう
ではなぜ他のグループを差し置いてこれほどまでに「感染」したのか

他にもクロックスしかりiPhoneしかりけいおん!しかり


数え上げればキリがないがそうした謎を一つ一つひもといていくのが本書だ

著者は口コミを拡大させる決定的に重要な3種類の人間を唱えている

「コネクター」「メイヴン」「セールスマン」

簡単にいうと「コネクター」は一般の人とは比べものにならないくらいのつながりをもつもの
サークルとかでも周りを見渡すととりあえずこいつに言っとけば周りに伝わるだろうといった人が必ずいるはずだ
ネット社会だと小飼弾さんのような人だろう
その人が「コネクター」となる

では「コネクター」さえいればよいかというとそうではない
「メイヴン」と呼ばれる,「コネクター」に発掘してきた情報をまわす人、が必要となる
たとえばAKB48であれば、初期の頃に彼女らを発掘してきた人、iPhoneなどであればアップルを愛して止まない人物となる
彼らは「コネクター」と同一となる可能性もあるが、非常に多くの情報に富んだ人物であることが必要である

最後に「セールスマン」は他人の行動を変えるような資質をもった者だ
一般的な人に対してその人を説得するのが(無意識的にも)一流の人物。そんな人が「セールスマン」となりうる


この3つの段階を経て口コミはティッピング・ポイントに達する

他にもみんながやってると自分もやりたくなるような「背景の力」(たとえば普段違法駐車しない人でも駅に大量の違法駐車がされていたらしてしまうような力)や感染させるのに1グループの最大人数である「150の法則」(よくK間さんが得意気に話す○○の法則というネタ元はほとんどこの人です)といったことが書かれており、純粋におもしろい

この人ならベストセラー作家になるわな,と認めざるを得ないほど深い洞察力に富んでいます

ただ例がアメリカのものが多く(まぁ当然ですが)なかなか親近感が持てないという点が唯一残念なところ(-0.8点ぐらい)ですがこの著者の本を読んだことがない人はぜひ読むのをおすすめします

そしてこのポストもティッピング・ポイントに到達すべく、もしよかったと思ったらRTよろしくお願いします笑

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