評価:3.6
「文学以降の文学」と称される斬新な作風は、なにが書かれているかはクリアにわかるが、それがどういう意味なのかは、様々な解釈を呼ぶ。
カフカの紹介にこういった言葉が添えられていたがまさにその言葉そのものといった小説
判決、変身、アカデミーで報告する、掟の前で
の4編が含まれているが、たとえば有名な「変身」はある日目覚めたら突然ハエになっているグレーゴルの話だが、カフカの作品の斬新さはそれがハエであるグレーゴルの視点で描かれている点
他にも個人的に一番よかった「アカデミーに報告する」は人間の思考をもった猿がこれまでの体験をアカデミーに報告する、という場面を猿の1人称で描かれている
これらの作品に一体どんな意味があるのかは一切わからないが、描いてあることは明瞭な本当に斬新な作品を残した人だなぁと感じた
人間から徐々にハエに変わっていく過程は目が見えなくなったり、床にいるより天井にいる方が楽になったり、しゃべれなくなったりと描写なども生々しくてよかった
それでいてユーモアも混じった4つの短編は僕の理解を遙かに超えていた
0 件のコメント:
コメントを投稿