2010年11月7日

「正しい保健体育」

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
「正しい保健体育」 みうらじゅん

評価:3.8

それではこれからみうらじゅん先生による、”正しい”保健体育の授業を始めます
主に男子学生対象ですが

正しい保健体育 (よりみちパン!セ)正しい保健体育 (よりみちパン!セ)
みうら じゅん

理論社 2005-01
売り上げランキング : 37277
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools

図書館でたまたま置いてあったところ、みうらじゅんが書いているということで読んでしまったが、予想通りすばらしい保健体育の教科書でした


みうらじゅんというのは不思議な存在だ
彼の本の多くは、みうらじゅんが好きであってもあまりのあほらしさに苦笑してしまうものが多く、ましてや好きでも何でもなかったら、ゴミ箱に捨てたくなるような本が多い

しかし今回紹介するこの本は秀逸でした
それではまず目次から



目次
第1部 保健体育を学習するにあたって
義務教育の大切さ 「恥ずかしい」というセンス 童貞期に学ぶべきこと 大人になってからの差 つまらない【いい大人】にならないために 自分塾の開講 【優しさ」を育もう 時間の大切さを知ろう オナニーとセックス やりちんにもやりちんの道がある

第2部 現代社会と健康
第1章 健康の考え方
長寿社会を迎えて 長寿社会を生き延びるためには 戒名を予め考えておく 人は何歳まで生きられるか 健康をどう考えるか 健康診断

第2章 生活行動と健康
食事と健康 喫煙と健康 飲酒と健康 シンナー・覚せい剤の害 医薬品と健康

第3部 生涯を通しての健康
第1章 思春期と健康
思春期の体の変化 排卵と月経のしくみ 射精のしくみ 異性とどう付き合うか 性と愛 性知識の正しい研究と発表

第2章 金玉と包茎
サオとフクロ 銃身と弾丸 なぜ「完全バイブ」がないのか コンドームと包茎 包茎と愛

第3章 家庭生活と健康
セックスとパートナー 結婚の意義 避妊具の役割 友人の妊娠がわかったら 自分の子供が生まれるまでに 父親と母親の役割 つまらない【いい大人】にならないために

第4章 加齢と健康壮年期の健康 
【飲み代」のからくり サービスとメモリー VAとAV 余暇の健康的な活用 高齢化社会 健やかに老いるために 死を迎える準備


本書はまず義務教育の意義から入る
その中でも特に童貞期のあり方は決定的に重要である(らしい)

若いうちは、とにかくオナニーをすべきです。
若い時からセックスしている人は、「女なんてこんなもんだ」と思ってしまいがちです。「生理中はくせえぞ」などというところにドリームは生まれません。
(略)
若いうちから女性器をリアルにかけたりしない方がいいし、どこを責めたら感じるかなどということは、知らない方がいいです。「噂に聞いたけど、潮ふくらしいぜ」「えー!」「嘘だろ?」くらいで悶々とするのが青春だと言えます。
大人は全員それを知っています。しかし、それを知ったら青春は終わるのです。青春の「春」と売春の「春」は同じであることに注目しましょう。

なるほど、まさに正しい性の価値観をつけるための本だ

本書はとりわけオナニーの重要性を説いている

オナニーをセックスの予行演習だと思っている人がいますが、それは間違いです。オナニーは自問自答、「こんなことしてていいの会」です。
(略)
しかし、大事なのはいつまでも「オナニー」です。いずれ人類はセックスをしなくなるかもしれませんが、オナニーは絶対に廃れません。
(略)
セックスはともすれば笑ってやることだってできますが、オナニーを笑いながらしている人はいないことが、自問自答という性質を物語っています。3Pしながら笑ってピースしている写真はよく見かけますが、オナニーしながらピースしている人はいない。つまり真剣なのです。 

ぼくの高校では1日に7回もオナニーをするという猛者がいましたが、彼は悶々と自問自答を続けていたのでしょう

たしかにそう考えると一般に、セックスは疲れていたらやらないですが、オナニーは疲れていてもや・・・いやこのへんでやめておきましょう笑


とはいえ本書は間違った義務教育に汚染された男子たちを正しい方向に導いてやるための本なのです

ネット環境が整ってきた現代ではさらにその影響が及んでいます

ネットで無修正などを探すのではなく、道端に捨てられている萎れたエロ本で抜くことが”正しい”育ち方であることを自覚しましょう


またみうら先生から研究課題が出されています
卒業研究のテーマで悩んでいる人はぜひ研究してみましょう

1.結婚について、自分の考えをまとめてみよう。
2.オナニーのあとの虚無感について、各自レポートを作成して発表してみよう。
3.フェラチオの経験がある大人たちに、その時それぞれ「右手」はどこに添えているのか聞いてみよう。
4.ヤリマンとよばれる女性を囲んで、なぜ複数の男性とセックスするのか、意見を聞いてみよう
5.「おじさんが好き」という女子たちに、その「おじさん」とは何歳までと考えているのかをきいて。統計を取ってみよう。
6.メガネをかけている大人たちに、かけたままセックスする中、外してからセックスするのか聞いてみよう。
7.身近にいるお年寄りから、どういう時に劣情を催すか、何歳まで催していたかを聞き集め、老後のセックスについて考えてみよう。
8.男子は女性器を、どうやって褒めるべきか、その言葉のバリエーションをたくさん考えてみよう。


特に2に関してレポートを書いた方はぜひ発表してください笑

最後に特に感銘の残った節を引用して締めましょう

人間はトーナメント戦を戦っています。たびたび例に出しますが、あるトーナメントで勝ち残ったのがノーベル賞の田中さんであったり、別のトーナメント戦で勝ち残ったのが団鬼六さんだったりするわけです。ミック・ジャガー氏も松崎しげる氏も、何らかのトーナメントの優勝者なのです。
ただ、どの家庭とどの家庭がトーナメントしているのかわからないのが、人生のおもしろいところですね。
トーナメント優勝者がカッコいいと思われ、憧れの対象になるわけです。しかし必ずそういう人たちはどこかに針が振り切れているものです。これまで述べてきた「いい大人」「いい親」が優勝することはありません。
そしてこのトーナメントは「老後にどれだけ思い出話ができるか」の勝負でもあります。
若いうちに「小学校の時にさ」などというのは思い出話になりません。本当の思い出話のなんたるかは、全てのセックス活動が終わったときにしか語れません。みなさんはまだ知る必要はないでしょう。
ただし、自分塾での自分勉強をいかに自分に取り入れ、今後の人生を学んだかで、その思い出話のレベルは大きく違ってきます。要は「徹子の部屋」に出たとき、森繁クラスの思い出話ができるかどうかが問題なのです。


Related Posts:


0 件のコメント:

コメントを投稿